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”父の木船…”


 

油の浮いた汚い 内海の漁村に 浮いていた

父の木船はあらゆる木が腐り 所々を繋いでいた

鉄の楔や部品達は錆びて朽ち果てていた

動かなくなる物まであって 私はその部品達の

錆び切った体の一部を 久しく思い出す

良くあんな沖まで走ってたなと

良くサザエ取りに連れて行ってくれたなと

もう焼けて無くなっちまった

あの船が好きだった

父くらい大好きだった

もう船は帰ってこないけど 私の心の中には

油の匂いをさせながら 未だに煙を出しながら

ポンポン煙突から煙を出して走ってる姿が

未だに 思い出に残っている

詩人〜今人…

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