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傷つきながら…


私は 心身ともに 傷つき

敵の旗を目指した

来る敵に怯え 慄きながら ひたすら

搔い潜った 倒れながら 血を流し

空は 青空でも 足元は 亡くなった 兵士の姿

ひたすら かわしながら 踏むことなく

ひたすら 敵を倒し 返り血を 顔に

浴びながら 泣きながら 旗を目指した

血と涙が 現実を目覚めさせ

これは 夢ではないと

これは 夢なんかじゃないと

見渡す限り 人の体が横たわっていても

乗り越えて行かなきゃならない

旗を手にするまで 狂気に怯えながら

私は 向かう ひたすら

前に手を差し出しながら

しかし 知らないうちに 翼は すでに

背中に たずさえていた

気づかぬ うちに 私は 召されていたのだ

空から 光の雨が 降り注いでいた

大きな 白い翼は 広がり

今まで 見えなかった

戦地を 高い場所から見上げながら

光り見上げる 青い大空に

舞い上がって行った

詩人〜今人…


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