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宮沢賢治さんを感じながら…


宮沢賢治さんを感じながら

妻と娘と海辺の春の少し 肌寒い公園に

賢治さんは 心象スケッチと呼んでいた

心で 自然を感じながら ありのままの姿で

出歩いていたらしい

小さい子供達が 無邪気に遊ぶ 春の公園

この 古びた 長椅子から 撮る写真に

故郷の海が見えている

生まれ育った 海の漁師町で 私は育った

小さな頃から 海と親しみ 海の怖さを知り

生きてきた

命溢れる 海の中にも 感じるものが

沢山ある 岩の中にいる蛸と格闘したり

サザエを取ったり アワビを取ったり

時に 頭より大きなクラゲに会い

怖くて 浜に上がったこともある

父と漁師していた時に 見つけた

イルカの群れが 遊んでと言わないばかりに

船の前を行き来する まさに 自然が

そこにあった

波のある日に 磯に打ち上げられ

牡蠣の居着いている 上に乗り上げられた時の

痛さと辛さ 肌には牡蠣殻が突き刺さり

雲丹さえ踏んだこともある

痛さや辛さが 私を育ててくれた

大きな 偉大なる 父と母のような 海原

賢治さんなら どう感じるだろうか

風が耳元をかすめて行く 音が聴こえる

微かな山の香りと潮の香りが 私の

子供心を 揺りうごかす

忘れていた 自然の中の 娘が無邪気に遊ぶ

ああして 私達も育ったのだ

生きているうちには 涙を流すこともあり

怒ることや嬉しかった事が 自然にいると

色々 浮かんでは消える

心象スケッチ

心で感じる事が できている自分は

幸せだと言えるだろう

空は煙のような 色をしている

雨の降る気配は感じない

好きな歌を聴きながら 自然を感じる

ふとした滑り台の下に野の花を見つけた

踏まれる事なく 可愛い花を咲かせ

私に見つかったのだ

こうした 小さな頃から 野の花が好きだった

逞ましく 慎ましく自然に自生する花達よ

出逢えた事に私は 感謝をする

その 小さな花びらをめいいっぱいに広げ

野に咲く 自然が育てた 花達よ

時より 風が止み 暖かな 風になる

感じずにはいられない 自然の中の命よ

ありがとう…

しかし 自然の怖さは 時として

猛威を振るう まるで 自然が怒り

全てを無にして 命すら 奪う

そうした 自然だけが なせる技

この平和に溺れず 感謝をするしかないのだ

明日は我が身 いつか 津波は押し寄せ

私達にも 猛威を振るうだろう

その時に 何ができるのだろうか

何も出来るはずがない

蟻の群れに 小さな頃 良く水を流したり

虫や食べれない魚を無邪気に殺したり

子供の穢れなき 行動に 今思うと

実に 私が 自然に悪いことをしてきたか

恥じる前に 心が痛む

生き物を殺すという事は 自然に逆らう事

改めて 自然にお詫びをしている

娘には 小さい蟻や動物などに触れ合わせ

自然に感謝する事を教えている

無邪気さゆえに 伝えなければ分からぬ

こともある

私は 果たして 間違っているだろうか?

自分自身に問いかける

賢治さん 私は 自然を愛しています

あなたが愛した 花巻のように…

宮沢賢治さんへ…今人より…


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