”おしくらまんじゅう”お年寄りが おしくらまんじゅう とある病院は お年寄りの保育園 お年寄りの おしくらまんじゅう 座るところがなくて 私たちは 孤立する お年寄りの おしくらまんじゅう 近場の話が 行き交い まるで 複雑な交差点の真ん中で話しているよう お年寄りの 保育園 今日も...
”水溜り…”この水溜りの中の世界に入れたら きっと 誰もいない 音すらしない 世界なんだろうな…人の心が 一人ぼっちでいる世界なんだと思う… みなさんも見つけたらソーッと 見つめてごらん、向こうの世界の 自分の顔が 顔を覗かす姿が きっと 見えるでしょう… でも...
その太い幹に..その太い幹に 樹液とゆう血を流している 大木よ…その枝とゆう枝に緑の葉を茂らせ 秋には実をみのらせ 小さき子供を産み落とす 大木よ…あなたは どうしてそんなに 私らの背の届かないところまで 伸びているのか… あなたの その心臓は 一体…何処にあるのだ… 耳を幹につけ...
”命の火が足りぬ…”私の言葉には 命の火が足りぬ 私の言葉には 夏の蝉のような 命を削ってまで鳴く 想いの火が足りぬ しかし たとえ 誰が その火を消そうとも その火は消えまい 火の鳥より貰えし その命の火は 誰にも消せはしない 言葉に 命がないと言うのなら 私の生きる命がないという事...
”赤い傘…”雨は 小降りなのに 今日も あの子は 赤い傘を差したまま あの公園の あの場所で 傘に隠れて 寂しそう 雨の日に 通りかかったら あの子は また あの場所に1人で 傘に隠れて 座ってる そう あれは 私にしか 見えない 遠い 遠い昔の 私の姿… 赤い傘が...
”躓きたくなくても…”どんなに 躓きたくなくて ゆっくり そろりと 歩いても 必ずしも 転ばないとは限らない 絶対なんて 言葉は あってないようなもの 口に出さずとても わかるもの あの空が 明日は 晴れだと言われても 決して 明日が晴れるとは 思わない 所詮は 人が 呟いたこと 所詮は 人が...
”台風と実家の雨漏り…”この晴れちゅう 空が 明日には 酷い台風に なるゆうて いいゆうけんど 考えれん 今年になって 台風が 初めてくるがやけんど 嵐の前の静けさゆうて 諺もあるくらいやき ほんま 自然ち分からん 今は 青空が見えちゅうし ちょっと風が あるかよって言うくらいやき ひょっとして...
心した日に…涼やかな虫の音鳴く夜に ふと 父のやせ細った か細い体が 目に浮かび 居た堪れなくなっていた 気持ちがどこかで 決意を始めている 来るべき日に私は 父に 一体なんて声をかけるだろう あの 痣だらけの破れても おかしくない 皮膚が私の脳裏をかすめる 知り合いの...
”淀んだ雲の様に…”淀んだ雲の様に 頭の中に 灰色の雲がかかる まるで 深い霧の中にいる様に 思考が 戸惑い 行き場をなくす 行き先がわからず 一つ踏み出せば 目の前が 崖がある場所を 歩いていた 知らないと言う事は 恐れをしらないと言う事 例えば 命を失うかもしれない...
”夜になると…”夜になると 月が 海の上を 浮かびながら 光を 優しく 放っている さざ波が 月の光に照らされて キラキラ光っている ボラは月夜に 照らされて 空を飛んでいる 何匹も 何匹も 宙をロケットみたいに飛ぶ 星の沢山の煌めきが 空から落ちてきそう だから スプーンを持って...